📚 用語集
カウンセリングや説明書で出てくる言葉を、患者目線でやさしく解説します。「先生の説明でわからなかった言葉」があったら、まずここで調べてみてください。
治療のしくみ
オールオン4All-on-4
片顎(上または下)のすべての歯を、4本のインプラントで支える連結ブリッジで置き換える治療法。奥側の2本を斜めに埋め込むことで、少ない本数でも顎全体を支えられるように設計されています。ポルトガルのパウロ・マロ医師が考案し、インプラントメーカーのノーベルバイオケア社とともに体系化されました。
All-on-6/All-on-Xオールオンシックス/オールオンエックス
支えるインプラントを6本(またはそれ以上)にしたバリエーション。骨の状態や噛む力に応じて本数を増やすことがあり、これらをまとめて「All-on-X」と呼ぶこともあります。本数が多いほど安心とは限らず、骨の質・量に合わせた設計が大切とされています。
インプラント体いんぷらんとたい(フィクスチャー)
顎の骨に埋め込むチタン製のネジ状の部品。歯でいう「根っこ」の役割をします。オールオン4では片顎に4本埋め込みます。
アバットメント
インプラント体と上部構造(ブリッジ)をつなぐ連結部品。オールオン4では、斜めに埋めたインプラントの角度を補正する特殊なアバットメント(マルチユニットアバットメント)が使われます。
上部構造じょうぶこうぞう
インプラントの上に固定される、歯の部分の総称。オールオン4では12本前後の人工の歯が一体になった「フルブリッジ」で、ネジで固定されるため自分では取り外せません。ここが総入れ歯との大きな違いです。
即時荷重そくじかじゅう
インプラントを埋めた当日〜翌日に仮歯を固定し、すぐに(軽い)食事ができるようにする方式。「その日のうちに歯が入る」というオールオン4の代名詞的な特徴ですが、噛む力を本格的にかけられるのは骨とインプラントが結合してからです。
オッセオインテグレーション
チタンのインプラント体と顎の骨が直接結合すること。この結合が起きるまで一般に数か月かかり、それを待ってから最終ブリッジを作ります。インプラント治療全体の土台となる現象です。
ザイゴマインプラント
上顎の骨が極端に少ない場合に、頬骨(ザイゴマ)に長いインプラントを固定する方法。通常のオールオン4が難しい人の選択肢になりますが、対応できる医院は限られます。
インプラントオーバーデンチャー
少数のインプラントに、取り外し式の入れ歯をパチンと固定する方式。固定式のオールオン4より費用を抑えられる一方、外して洗う手間があります。カウンセリングで比較対象として提示されることが多い治療です。
手術・治療の流れ
CT検査しーてぃーけんさ
顎の骨の量・厚み・神経の位置を立体的に調べる検査。オールオン4の設計はこのCTデータをもとに行われます。カウンセリング時にCTを撮らずに見積もりを出す医院には注意、とよく言われます。
静脈内鎮静法じょうみゃくないちんせいほう
点滴でお薬を入れて、うとうと眠ったような状態で手術を受ける方法。全身麻酔とは違い呼吸は自分でできます。「気づいたら終わっていた」という体験談が多く、手術の恐怖感を大きく減らせます。多くの医院でオールオン4手術に併用されます。
抜歯即時埋入ばっしそくじまいにゅう
残っている歯を抜くのと同じ日に、インプラントを埋め込むこと。オールオン4では「抜歯 → 埋入 → 仮歯固定」を1日で行うのが標準的な流れです。
仮歯かりば(プロビジョナル)
手術当日に固定される、樹脂製の仮のブリッジ。最終ブリッジができるまでの数か月間を過ごします。見た目は自然ですが強度は最終版より低いため、硬いものを噛まないなどの食事制限があります。
最終補綴さいしゅうほてつ(最終ブリッジ)
骨との結合を確認したあとに装着する、本番のブリッジ。素材(ジルコニア、ハイブリッドレジンなど)によって費用と耐久性が変わります。ここまで来て治療はひと区切りですが、メンテナンスはずっと続きます。
骨造成こつぞうせい(GBR・サイナスリフト)
骨が足りない場所に骨を増やす処置の総称。通常のインプラントでは必要になることが多い一方、オールオン4は骨のある場所を選んで斜めに埋めるため、骨造成を避けられるケースが多いのが特徴とされています。
素材・構造
チタンフレーム
最終ブリッジの内部に入る金属の骨組み。たわみを防ぎ、ブリッジ全体の強度を支えます。フレームの上に人工歯や歯茎色の樹脂が組み合わされます。
ジルコニア
「白いセラミック」とも呼ばれる高強度の素材。最終ブリッジの上位グレードとして使われ、変色しにくく汚れがつきにくい一方、費用は高くなります。
ハイブリッドレジン
セラミックと樹脂を混ぜた素材。ジルコニアより安価で、割れても修理しやすい反面、経年で摩耗・変色しやすいとされます。最終ブリッジの素材選びでジルコニアと比較されます。
スクリューリテイン
ブリッジをネジで固定する方式。患者は外せませんが、歯科医院ではネジを外してブリッジを取り外し、洗浄・修理ができます。オールオン4はこの方式が標準的で、「外して整備できる」ことが長持ちのポイントになります。
術後・メンテナンス
インプラント周囲炎いんぷらんとしゅういえん
インプラントの周りの歯茎・骨に起きる炎症。歯周病のインプラント版で、進行するとインプラントを支える骨が失われます。オールオン4を失う最大の原因とされ、毎日のセルフケアと定期メンテナンスで予防します。虫歯にはならなくても、これにはなります。
定期メンテナンス
歯科医院で受ける専門的なクリーニングと点検。噛み合わせの確認、ネジのゆるみチェック、ブリッジを外しての洗浄などを行います。3〜6か月に1回程度が一般的で、保証の条件になっていることが多いので通院は必須と考えましょう。
ウォーターフロッサー口腔洗浄器
水流でブリッジと歯茎のすき間を洗う機器。オールオン4のセルフケアの主役で、多くの医院が使用を推奨します。詳しくはケア用品ガイドへ。
ナイトガード
就寝中の歯ぎしり・食いしばりからブリッジを守るマウスピース。噛む力が強い人に処方されることがあります。人工の歯は虫歯にならない代わりに、強い力で割れたり欠けたりします。
お金のこと
自由診療じゆうしんりょう
健康保険が使えず、費用を全額自己負担する診療。オールオン4は原則自由診療で、費用は医院が独自に設定するため、同じ治療でも医院によって価格が大きく異なります。
医療費控除いりょうひこうじょ
1年間に支払った医療費が一定額を超えたとき、確定申告で税金の一部が戻る制度。オールオン4のような治療目的のインプラント費用は対象になるのが一般的です。デンタルローンを使った場合も対象になり得ます。年をまたぐ支払いのタイミングで戻る額が変わるため、事前に調べておく価値が大きい制度です。
デンタルローン
歯科治療費専用の分割払いローン。多くの医院が信販会社と提携しています。金利・手数料がかかるため、総支払額で比較を。
保証制度ほしょうせいど
インプラント体や上部構造に一定期間の保証をつける医院独自の制度。「10年保証」などと書かれていても、定期メンテナンスの継続が条件になっていることがほとんどです。保証の範囲(インプラント体か、ブリッジも含むか)と条件は契約前に必ず確認を。